ゆりかの戯言。

ミーハー。客観的にみるとイヤなやつ。

アジア人ジョークを許せるか

友人A(白人)「最近ニンジンばっかり食べてて肌がだんだん黄色くなってきたんだよね」

私(黄色人)「じゃあ私のご先祖様たちはニンジンばっかり食べてたのかな」

友人A&私「wwwww」

というやりとりをこの間した。

 

インスタグラムで検索のための虫眼鏡マークを押すとおすすめのユーザーや写真が出てくるけど、数日前、なぜか私のフィードは #PraisinTheAsian の投稿ばかりだった。調べてみるとミスワールド等の賞が今年は全てアジア圏の女性に与えられたかららしい。このハッシュタグはある学生が自分の課題のためのプロジェクトとして使い始めたものであって、全世界の(アジア系)ユーザーが自撮りや自分のルーツ、差別的な扱いを受けた時のこと、見た目やルーツに関して言われて嫌だったことを取り上げている。

主にあったのは『アジアは中国と日本と韓国だけじゃねぇ』というもっともすぎる意見というか事実であって、ユーラシア大陸的に(しかも単語的には欧州側からみて)極東ではなく中東も近東も東南も全部アジアやでという主張。まったくその通りでしかないわけだけど「アジア」という単語を使う時にそんなに広い範囲の話をしている人はあんまりいない気がする。実を言うと私もそこまで考えていないことのほうが多い。だけど別に限定しているわけではないのでなんかあやふや。「あっちのほう」みたいな意味で言ってる。

見た目の差別はやめようという当たり前の風潮、偶然にも今年度の生物のプレゼンのテーマが『肌色』だったのも重なり興味がある分野でもある。授業の内容的には遺伝学なのだけども、ネットで調べているとナショナリズムに近い意見があったり、進化の過程の仮説がいろいろあったり、面白い。

なぜいろんなトーンの肌色があるのか、というシンプルな疑問の答えの中で私が一番しっくりきた進化論のステップをリストにしてみると、

  • 今現在ヒトに近いと言われている猿、例えばチンパンジーやオランウータンは毛深いけども実際の皮膚は色が薄い
  • アウトオブアフリカ(人類がアフリカから全世界に進出した)説をもとにすると、皮膚の色が薄い霊長類から発達したはずなのに、その地域に住んでいる人たちの肌色は濃い???
  • 二足歩行に伴い日光が植物等に遮られない場所で過ごす時間が増える → 体に吸収(?)される熱が増えて、発散するために発汗が促進される → 汗を流れやすくするため体毛が薄くなる → 皮膚が前より日光にさらされる → 葉酸等体内の成分の一部が紫外線に弱いけど絶対必要!守らなきゃ!→ メラニン色素の分泌が促される → 肌の色が濃くなる → アフリカ大陸における日照時間や紫外線の強さで肌の色がますます濃くなる → 地球上の違う場所では日光がそんなに強くない → ビタミンDを生成するのに紫外線が足りない!→ 肌の色薄くしなきゃ!→ 例:北に行くほど日照時間が短いから色白になっていく → 例外:イヌイット(ビタミンDを食生活でカバーできるので肌の色がそこまで薄くなる必要がなかった)

ということになる。大変読みにくい上に日本語で調べたわけじゃないので適切な単語が使いこなせていないし後半に溢るるテキトー感。ニュアンスで汲み取ったりググったりしてください。(結局丸投げ)

 

10年間ヨーロッパのまぁまぁ白人な社会で生きてきたわけだけども。

ブラックジョークで笑えるか、と訊かれると個人的な答えはYESになる。ある程度の偏見をどう消化していくかはそれぞれ違うだろうけど、この国において基本的に日本人の印象が良いからなのかもしれない。礼儀正しくて信頼できる、というイメージを作りあげてきた先人の皆様には感謝しきれないし、ポジテティブな面はなるべく継承していきたい。

いろんなエスニシティとアイデンティティに関わりつつ、偏見にはある程度の根拠があることも学習した。第一印象や先入観は簡単に覆せないから、一般的なイメージに当てはまらなくて苦しむ人もいることも。

エスニックアイデンティティ+見た目+国籍+住んでいる場所のコンビネーションは無限にある。

 (エスニック、という言葉のニュアンスだって本来はちょっと違う。エスニックな服とかエスニックな料理とか言うけど、着物だって和食だってエスニックなんだよ。エキゾチックだって同じことだよ。エスニックは民族的、エキゾチックは遠い国のもの、それだけで地域は特定されていないんだよ本当は。)

 

例えば「アジア人は体が小さい」だけど、 実際黄色人の体格は多人種に比べて平均的に小さい。その差が現代の食生活etcにおいて縮まってきているのかもしれないけど歴史的にみたら圧倒的に小さかったんだからそういうイメージになってもおかしくない。こんなことを書いている本人もしばらーく前に縦の成長が止まって152センチ、学年イチのチビである。一番背の高い同級生は確か190近くある。小さい学校なので学年全員で40人ほどですが唯一の日本人というかアジア人は私だけです。

今日もクラスメイトとそんな話をしていて、「ゆりか、私が8年前に入学した時よりちっちゃいじゃん!」となったりした。私のリアクションは「えっまじで?www」。

チビジョークは個人的に全然嫌いじゃない。クラスのチビランキング2位との差、ズバリ7センチ。幼稚園の頃から前に習えの時は腰に手をあてる役だったし集合写真はかならず一番前。ダントツで小さいのでアジア圏でもよくある小さいイコール可愛いみたいなブランディング(偏見)が勝手につきました。可愛くないけど。152、と言うと大抵周りが思うより小さいみたいで…まるで態度がデカイから気づかなかった、みたいなねぇ…そんなことねぇ…

満員のバスの中で「うわっ見えてなかったごめんね!」と言われたところで結果的に見えたんだから別にどうでも良いし。よっぽどぎゅうぎゅうに押されたら声かけるし。

体格的に小さいことで不利なことより得なことのほうをみていたいよね。

学年一チビだけど座高は誰よりも高いんだぜ!姿勢が良いからかな!あはは!(シーン…)

165って数字良いよね…でも伸びるなら脚が伸びたいな…なんかの健康診断で154を叩き出したことがある気がするんだけど気のせいかな…夢だったのかな…

 

私の定番が「チビ」なら弟の十八番は「目が細い」アレです。カリカチュア等ではツリ目気味の線で描かれていることが多いアジア人だし、特に一重まぶただとコンプレックスに思っている人も少なからずいる気がする。その証拠にやたら二重にしたがるしパッチリアイメイクに走りがち(偏見)。

見た目的なアレでネットで読んで一番イラっとしたのはアメリカのティーンのツイッターのスレッドだった。まとめると「アジア人は色白になりたいし目を大きく見せたいし痩せたいし脚が長くなりたいんでしょ、白人を目指してるんでしょ」という話。別に理想があったっていいよね…そんなことより世界の一般的な理想が偏っていることを批判したらどうかな…そんなことを呟きながらプロフィール画像のメイクは完全にカーダシアン寄りじゃんね…別に良いんですけど。

私は一重だけど二重にしたいと思ったことないんだよね〜。極端な話をすると胸と同じで、そこにすでにあるものを形良く綺麗にみせたいだけであって大きさとかを変えようとは思わないんだよね〜。寝不足が続くと右目だけ二重気味になるけど。朝アイメイクする時に大変面倒くさい。

 

弟の友人「大丈夫?見える?w」

弟「いやちょっと視界狭いんで難しいw」

 

最近あったのは「アジア人ってアルコールに弱いんでしょ?」「いや知らんし」というやつ、調べてみたら体がアルコールを処理する時に必要なアルデヒド脱水素酵素ALHD2という成分をモンゴロイド人種の50%ほどしか遺伝的に持ち合わせていないからだった。牛乳もなんかそんな話聞いたことあるけどそれは確率が5%とかだったような気が。

 

文字に起こすと差別的にしか聞こえなくても、言った人の意図、言われた人の受け取り方、関係性によるよね。

 

友人B「ゆりか今日食べに行くとこココで良い?」

友人C「ゆりかは米があればどこでもいいっしょw」

私「ねえww」

 

「アジア人は頭が良い」も定番だよね。アジア圏外の映画やドラマや本でもアジア人(だいたい極東方面)が出てきたら頭脳派のことが多いよね。なんでだろう。

 

友人D「えー今回のテストゆりかより成績よかったやったぁ!www」

私「えっなにいきなりw」

友人D「ほら、アジア人は天才の集団…?みんな頭が良い…?あっゆりかは違うか、平均的だもんね」

私「うるさいわむしろ平均より高いわ」

友人D「おっ自慢?自慢?日本人なのに?」

友人D&私「wwww」

 

他にもいろいろ冗談は言われるけどシチュエーションによっては「は?」とまではいかなくても「ちょっとやめて?」「ごめんごめん」と言える仲だからこそ楽しい。

「この発言のなにが悪いのかわからない」と訊かれたら説明はせんでもないけど、わからないなりに二度と言わなければ良い話です。言われた人が嫌ならそれはりっぱな理由になります。だからブラックジョークが無理な人の言い分もわかるし、人種や民族に関する冗談を言わなくたって立派な会話が成立するので、そういうジョークは言わなくても良い、という風潮もわかります。

ただ私のなかで完全になくなる未来はみえないので、対象となった特定のグループの人たちがどうやって折り合いをつけるかどうかの対応力は身につけるべきだと思っています。

 

街中でヘラヘラ笑いながら「ニーハオ?ニーハオ?HAHAHA」と話しかけてくる他人には断固として「…こんにちは」と返すし、

「中国人なの?」と訊かれたら「あ〜違いますね〜。惜しい。アジアの他の国、どれでしょう?」と訊き返すし、

「よくK-POP聴いてるけど韓国語わかるの?」には「いや全然わからないけど勉強したいなぁ(ニコニコ)」と答えるし、

「どこ出身なの?」と訊いてくれる人にはそれが何回めでも「日本だよ〜」と言うし、

日本語訛りを装って話しかけてくる人には正しいドイツ語でハキハキ返す。

あと最近はK-POPのグループを友達に見せてまわっているけど、メンバーの見分けがつかないのなんて当たり前である。「この前私がかっこいいって言ってた人どの人だっけ?」と「この人の名前なんだっけ?」には初めの方こそイラっとしていたけど本当にどうしようもないというかしょうがないのである。心理学の授業で習ったし実体験なんて数え切れないほどあるけど、違うエスニシティの人の顔を見分けるのには慣れが必要。こちらとしては何が何でも布教したいので(言い方)何回もみせて何回も教えるのみである。

 

ふと思ったんだけどこれアジア人もとい日本人の印象じゃなくて私のキャラなんじゃね…?いや絶対そうだよね…?